父と町内会長
父は反戦思想の持ち主なので、そのために町内会長といがみ合っていた。町内会長は毎日わが家に来て、「言動を慎め。この非常時に戦争は負けるだのと平気で言っているのは断じて許さん」と親父に詰め寄る。親父は怒鳴り散らして喧嘩になる。これは子供心に不思議でしょうがなかった。なんでこの二人は寄るとさわると犬猿の仲みたいにいがみ合うのだろうと思っていた。僕らも「この戦争は負ける」と言われて育った。そういう親父のもとで戦中を過ごしたわけです。