無差別爆撃

広島が八月に近づくと日に日に空襲警報が激しくなっていきました。
広島を中心に左側は呉という軍港があり、右側の岩国、倉松、徳山には軍事工場が全部揃っていましたから、連日B一29が広島上空を交差して両方の都市を叩くわけです。夜中に空襲警報のサイレンがウーと鳴り渡ると、僕らはたたき起こされて眠い目をこすって防空頭巾をかぶって身支度して、町内の大きな防空壕に逃げ込むわけです。その時に、はっと呉の方向を見ると真っ赤に焼け焦げてるんですね。「あっ今日は呉がやられてる」と思って、翌日の夜になると、またウーとサイレンで起こされて、今度は右の方を見ると岩国が真っ赤に焦げていました。

僕の母の妹が呉に住んでまして、心配だから会いにいくというのでおふくろと呉に行ったんです。呉の駅を出ると、草木一本もまったくないほどきれいに焼き尽くされていて、これには「アーッ」と鷲いた。