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マンガ マンガ「はだしのゲン」

ベスト・シーン!!

どの巻を見ても、エピソード満載の「はだしのゲン」から、
Libが名場面をチョイスしました!
まだ持っていない人は、これを機に手に入れてみては。

(談: Lib・構成: Gen Prod web-admin)
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「はだしのゲン」

著者=中沢啓治
出版=汐文社(全10巻/680円)・中央公論社(全7巻・705円)


★名場面・ベスト10★

▼ 第一位 『浩二・出征す!』
▼ 第二位 『政二さん…Let it roaaarrr !!!』
▼ 第三位 『友子の死』
▼ 第四位 『ライブ・イン・似島』
▼ 第五位 『父の最期』
▼ 第六位 『ゲンとガラス屋』
▼ 第七位 『ゲンの初恋・命短し恋せよ乙女』
▼ 第八位 『隆太・賭場荒らし!』
▼ 第九位 『夏江ねえちゃんの壷』
▼ 第十位 『父・職員室殴り込み』
★第一位★

浩二


『浩二・出征す!』(1巻)

「ばんざーい!ばんざーい!」出征する兵士を見送る声がこだまする広島市。
そして今日も今日とて、近所から非国民扱いされるゲン一家。
「わしは海軍に志願して、非国民じゃないことをみせてやるんだ!」
追いつめられた長兄・浩二は決心する。
しかし父・大吉は決して認めず、出征をするその朝も、浩二とは口をきこうとはしない。
母「あんた、浩二を見送ってやってください」
父「うるさい!わしはぜったい見送らんぞ!」
広島駅のホーム。浩二をのせた機関車の車輪が、ゴトンと音をたてる。
「さ、さようなら…父さんに許してもらえなかったのが残念だよ…あばよ、英子、元、進次」
駅を出て、加速する機関車。通り過ぎる広島市の街並みを眺め、涙する浩二。
顔を上げた彼が窓の外に見たものは、たすき掛けをして一人立つ、父だった。
「と…とうさん!」
「中岡浩二ばんざーい!中岡浩二、ばんざーい!」
「ありがとうー!父さーん!」
これが浩二の見た、父の最後の姿だった。

★第二位★

政二さん


『政二さん…Let it roaaarrr !!!』(3巻)

生きるため、生き抜くため、バイトにいそしむゲン。
原爆で障害を負った吉田家の次男、政二の世話をし、政二の兄夫婦から一日三円をもらうバイトを通 して、ゲンと政二は心を通わせてゆく。
ある日ゲンと隆太は、画家志望であった政二をリヤカーに乗せ、写生へと出かける。しかしその途中で、政二の容態が悪化してしまう。
政二に水を与えようと、通りがかった農家に立ち寄るが、「ピカの毒がうつったら大変じゃ、帰れっ!」と、被爆についての正しい知識を持たない農民達は、ゲン達を追い返してしまう。
町に戻っても、政二を見た少年たちは「逃げろ!吉田のおばけがくるぞ!」と、走り去る。
ゲン「せ、政二さん、なにをするんじゃ」
体中に巻かれた包帯を、自らほどき、ケロイドの身体をあらわにする政二。
政二「げ、元…わしをみんなに見せてやれ!この姿を、町中のやつらの目の奥に、焼き付けてやるんじゃ!ピカを受けたらこんな姿になるんじゃ!原爆がどんなに恐ろしいか、わかったか!」
自らが「何か」を体現して、自分自身を人前にさらす、これぞライブ!肝に銘じたいところ。

★第三位★

友子


『友子の死』(4巻)

「なに警察だと?」「巡査が来た?」
…ハードコアな荒くれ者の暮らす集落から、幼い妹・友子(「わしらのお姫さま」)を奪い返したゲン。しかし友子は、すでに原爆症にむしばまれていた。
ヤミ市でアメリカ製の薬を買うため、ゲンと荒くれ者達は薬代・十万円を工面しようと帆走する。寺でお経を習ったゲンは、家人の亡くなった家々を回り、安い値でお経をあげる商売を始める。
そんな折、戦中、隣に暮らしていた在日朝鮮人の朴に遭遇。朴は、戦時中虐げられていた経験をバネに、ヤミ市で大金を手にしていたのだった。
朴「金ですむことなら、わしがいくらでも助けてやるぞ」
朴から十万円を手渡されたゲンは、家族の住むバラックへと帰る。しかし…
昭あんちゃん「ゲン…もう、おそいんじゃ…」
すでに友子は息を引き取った後だった。
海岸で友子の小さな棺に火を付ける母・君江。そしてゲンは砂浜の上でお経をとなえる。
「友子の命を助けるためにならったお経が、死んだ友子に役立つとは思わんかったよ…」

★第四位★

似島ライブ


『ライブ・イン・似島』(2巻)

原爆投下翌日(注…一応漫画の上では翌日。このあたりストーリーのテンションが高すぎて、なかなか一日が過ぎない)、米を手に入れるために似島に渡ったゲン。あの手この手で米を得ようとするが、なかなかうまくいかない。
「ぼくが浪曲を聴かせるから、米を少しわけてください」
偶然通りがかった民家の軒先で、見知らぬ一家に向かって浪曲をうなるゲン。
「妻は夫をいたわりつ〜夫は妻をしたいつつ〜ハアー」
原爆投下前、死んだ弟の進次とおこなった、浪曲野外イベント(疎開へ行く昭あんちゃんのためのチャリティー)の楽しかった思い出が、ゲンの心によみがえってくる。
聴いた後に下手だと言って追い返そうとしていた一家の主人だが、その哀しみのこもったゲンの声に、思わず涙してしまうのだった。

★第五位★

父の最期


『父の最期』(1〜2巻)

原爆投下直後。
地獄のような惨状の中、ゲンは母と共に、家の下敷きになった父と姉、弟の進次を助けだそうとする。父達をはさんでいる軒の柱は、二人の力ではどうしても動かすことが出来ない。
「にくいね、にくいね、この柱が!」
映画版、ミュージカル版、絵本版、そして自伝にも登場するこの名ゼリフとともに、柱をたたく君江。
父「ゲン、はよう逃げろ!火に巻き込まれるぞ!ゲン!強くなるんだ、しっかりするんだ!」
涙ながらに母を連れて逃げようとするゲンだが、母・君枝はその場を離れようとしない。
そのうち、瓦礫となった家は炎につつまれてゆく。

★第六位★

つるし上げ


『ゲンとガラス屋』(1巻)

戦争で片足を失い、仕事がうまくいかないガラス店の主人。借金はかさむばかり。
主人の困った様子を見て、ゲンは近所の窓ガラスを割って歩き、ガラスの注文を増やす作戦を決行する。
近所の住民は、投石犯人がゲンであることを突き止め、ゲンの家にどなり込む。仕置きとして、父はゲンをベランダに縄で釣り下げてしまう(このコマが好きな人は多い)。
夜、このことを知ったガラス店の主人は、礼を言うためにゲン一家のもとを訪れる。一件落着。

★第七位★

スケッチブック


『ゲンの初恋・命短し恋せよ乙女』(10巻)

中学を卒業したゲン。
卒業式の後、左官町の路面電車乗り場で出会った美少女に恋をする。
「まだあげ初めし前髪の…林檎のもとに見えしとき…」
川面を見つめ、島崎藤村の詩を一人口ずさむ、オールドスクールなゲン。少女の名は光子。
「逢いたい 君はどこにいるんだ 好きだ好きだ好きだ好きだ 逢っていつまでも語り合いたい…」
ストーカーまがいの思いのたけをスケッチブックにつづる、良く言えば純情なゲン。
その後世慣れた隆太の手助けもあり、最大の障壁、いまだ軍国主義思想に凝り固まった光子の父をも乗り越えて、ゲンの恋はついに実ることになる。
「ありがとう…うちをこんなにきれいに描いてくれて」
「わ、わしに、あんたをいっぱい、いっぱい描かせてください」
こういう恋愛シュミレーションがあったら、やってみたいです。

★第八位★

現金奪取


『隆太・賭場荒らし!』(8巻)

原爆症の病状が、日に日に悪化するゲンの母、君江。
見かねた隆太は、地元のヤクザの賭場に押し入って、金を奪うことを計画する。
「わしゃ遊びで来たんじゃないぞ、命を張って来たんじゃ、ねぼけるなっ!」
広島を舞台にした任侠映画さながらのアクションで、ヤクザの親分を脅し、金を奪い取る隆太。
追って来たヤクザをピストルで撃ち殺してしまった隆太は、広島市にはもう住むことが出来ないことを悟り、警察に自首する。
「東京ブギウギ、心ズキズキワクワク〜!」
涙を隠し、明るさを装って警察署へ入ってゆく隆太。当時推定9歳。

★第九位★

夏江と壷


『夏江ねえちゃんの壷』(8〜9巻)

原爆症(白血病)に加え、盲腸炎にも襲われた夏江。
余命の短いことを悟った彼女は、この世に何か残すものをリリースしようと、五日市へと向かう。彼女が選んだのは、壷…死んだ後に自分が入ることになる骨壷だった。
工芸所に身を寄せ、最後の命を壷作りに燃やす夏江。壷に描かれたのは、ゲンをはじめ彼女を支えつつ共に暮らしてきた仲間達の顔。ゲンは夏江の情熱が、彼女の死へと向けられていることに納得できない。
やっと満足のできる骨壷を完成させた夏江は、隆太たちの住むバラック(The BOX)へと帰る。しかしゲンは、夏江の持ち帰った骨壷を、手をすべらせて割ってしまう…。
隆太「おどりゃ、もうぜったいにゆるさんぞ」
ゲン「…わしゃ、夏江ねえちゃんに生きる勇気をあたえるために割ったんじゃ!」

★第十位★

沼田先生


『父・職員室殴り込み』(1巻)

反体制的な言動を繰り返す父のせいで、ゲンの一家は「非国民」のレッテルを貼られていた。
非国民呼ばわりされるゲン達は、学校で起きた盗みの一件においても疑いをかけられる。
職員室で裸にされる姉、英子。
英子「いくら調べてもお金は出ません!」
教師「ほかに隠すということもできるな…」
翌日、このベタな取り調べの一件を知った父・大吉は激昂し、学校の職員室へ殴り込む。
父「わしから見れば、お前達の方がよっぽど非国民だ!教え子を戦争にかりたてて、戦場に送り込んで人殺しだっ!」
教師・校長・そしてこの事件のフィクサー、町内会長の息子の竜吉を殴り倒す父。