脱線「はだしのゲン」〜中沢さんとスポーツ根性もの〜
edited by ShitB
中沢さんの漫画観が伝わる、話を一つ。中沢さんが少年ジャンプに連載漫画を持っていた頃(1970年代)は
根性ものの全盛で、強い男を目指して、ギンギンにシゴキに耐えてがんばる漫画が流行していたそうで、それらの
漫画を読むと中沢さんはムカついたそうです。読んでるほうが恥ずかしくなるようなキザな言葉の羅列と、バカバカしいほど幼稚な設定には漫画家として怒りを覚えるほど…
それの反動で、グズで駄目な男を主人公にした
「グズ六シリーズ」が生まれるきっかけになったそうです。
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しかしながら、根性もの?の一連の枠では無いものの、すんごい修行?をするスポーツを題材にした漫画がいくつか、中沢作品の中にもあります。
今回はその代表格とも言える、「負け犬」を少し紹介します。
物語の主人公はボクサー。しかも15戦連敗中の「負け犬五郎」こと竜五郎…。彼はあまりにも酷い負けっぷりで、ジムの名が廃るという理由でジム追放させられることに…。
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そんな折りに、ひょんな事から知りあった謎の男に五郎はなぜかついていく…。
着いた先はというと断崖絶壁の滝の前…。彼はこの男になんと五ヶ月もの間、滝を見ることを強要され、しかもその合間にもその男が間髪入れずに石を投げつけてくるという、尋常でない仕打ち。しかも一日の食事は白パン一個。(男はチキンの丸焼き?を見せびらかしながら食う。)
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しかしながら五郎の目は滝を見続ける事によって、動体視力が身に付き、そして石を投げられることにより反射神経を鍛えられていたのだった…。それだけでは収まらず、男は、五郎に最後の特訓を行う…。
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その特訓とは洞窟の上から垂れ下がる刃物。これをおまえはよけれると男は言う…。
そして最期に男が教えたボクシングの心構えとは…??
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と話は続くのだが、この作品のすごい所はその特訓でもなく、なんと五郎がボクシングをするシーンが1コマしかないというところが中沢節の真骨頂である事は間違いない。
この短編「負け犬」は汐文社からでているヒューマンコミックスで読むことができます。